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『人間失格』

観に行って参りました!

トーマくん、映画初出演にして初主演。

『人間失格』

これからご覧になる方。

出来ることならば、原作を読んでから
観に行かれた方がいいかと思います。




まず一番初めに感じたことは、
「映像化は困難とされてきた作品」ということに
大いに納得した・・ということ。

ヤッターマンも同じようなこと言われてたけど、
当たり前ですが それとは全く別次元の理由でね。

『人間失格』という作品の核となる部分というのは
決して“堕落していく人生”だけなどではなく、
まるで電流のようにピリピリとした
過剰すぎるほど過剰な自意識を生まれながらに持ち、
常に身体のあちこちを自意識という針で
刺されながら生きた、その生涯なのだなと思いました。

堕落していく過程はあくまでオマケのような物なのだ、と。

堕ちていく姿だけを映像とするのは簡単で、
だけども過剰な自意識を映像として表すのは難しい。

映像化は困難と言われた理由はこれなのだ。
私なりに そう解釈しました。

原作は葉蔵の一人称の独白で、
その場その場の気持ちをこれでもかと活字で
表しているわけです。

きっと映画では、葉蔵の想いを
ナレーションにしてしまえば簡単なのだと思います。

だけども、それほど無粋なことはない。

だから。

トーマくんは本当に本当に素晴らしかったです。

笑顔の強弱や視線の動かし方、立ち居振る舞い
・・・そのひとつひとつで葉蔵の胸中が
活字のように こちらに飛び込んでくるような。

黙っていても伝わってくる、まさにそんな感じ。


でもやっぱり、
原作を読んだことは大きかったな~とも思います。

葉蔵の一挙手一投足は、自意識過剰な気質と
自分自身を他人のように傍観している習癖、
そこから派生した無意識な計算(矛盾してるけど)で
全てが成り立っているのです。

自分が女性からどう見られ、
どう振る舞ったら女性が喜ぶか。
そしてその振る舞いはあくまで無邪気に
まるで計算などないかのように・・・・

葉蔵はそういう男なのです。

それはやっぱり、原作でないとわからない。

アネサに林檎を剥いてあげる場面も
手紙を書く礼子にちょっかいを出す場面も。

原作だと、とても意味のある場面なのに
映画だとあっさり描かれてしまっていたような気がします。

そして、葉蔵はとても傷付きやすい。

相手の些細な発言でも、
真実胸がえぐられるほど傷付くのです。

常子に財布の中身を見られて言われた一言。
こんな些細な言葉で死を決意してしまうほどに。

こういった繊細な気持ちを ナレーションや
説明口調な台詞以外で表現するのは、
どんな名監督も名俳優も出来ないことなのだろうと
思いました。

いや、悪い意味で言ってるのではなく。

きっとこの作品は、原作と合わせて完成するような・・・
“完成”なんて言っちゃうと生意気だけど、
私は頭の中で原作と照らし合わせながら映画を観て
そのシーン時々の葉蔵の気持ちを
原作から引っ張り出しながら楽しみました。

だから、ここでトーマくんが葉蔵の胸中を表情で
的確に表現してくれていないと、変な違和感が
きっと生まれたと思うのです。

そんなことは、まーったく無かった。
素晴らしいったら ありゃしないですよ、ホント。


そして。

葉蔵の美しさは本当にハンパなかったです。

監督が拘った「トーマを美しく撮ること」は
まさに狙いどおりといった感じでした。

こんなに儚いのに、何故か物凄い存在感。
それは とてつもなく美しいから!

生涯で関わる7人の女性を演じた女優さん達の
幅広い年齢に全く違和感を感じさせないほど、
女を狂わす美貌のひとを
トーマくんは完璧に演じきっていたと思います。

すごいよね~ まだ25歳なんて信じられない。

薬物中毒になって田舎に帰った後の
三田さんとの場面。

ここでは明らかにしませんが、衝撃でした!

映画雑誌を熟読していたわけではないので、
あの場面が事前に解禁されていたのか
公開まで極秘だったのかはわかりませんが、
とにかく私は何も知らなかったので
びっくらこきましたよ!

でも綺麗だった。

親子どころか、それ以上の年齢差なのに
変な違和感はなかったな~
なんと言うか・・・
“行為そのもの”な場面より官能的でした。


物語のラストは原作と随分違ってましたね。

原作だと あっさり終わり過ぎているので、
映画用に贅沢な場面を創ったのだろうけど
私はちょっと余計だったように感じました(爆)

別に葉蔵が死ぬわけではないけれど、
まるで走馬灯?のような汽車での場面。

贅沢っちゃあ贅沢だけど、安っぽくない?

・・・なんて。
生意気にも批判してみましたが、
皆さん どう感じたでしょうか。

私的には、
身も世もない・・死に損ないとまでなった
孤独な雰囲気の方が良かったかも。

・・・・・・・

・・・・・・・

いやぁ~ でも面白かったです。

映像は美しいし、映画の匂いがいい。
変な言い方だけど、そういうのあるでしょ?

映画を観て、原作をもう一回読んで
そしてまた観に行ってみようかな。

また新しい葉蔵に逢えるかもしれないね。

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